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ノートルダムの鐘

劇団四季『ノートルダムの鐘』の覚え書です。

まず、今までの劇団四季のディズニーミュージカルと同じ気持ちで行くと、べっこり凹みます。笑

実は、わたしも後から知ったのですが、今回は「"ディズニー"ミュージカル」ではないんです。

だから、同じ音楽を使ってはいるけれど、内容は結構違います。

観終わった後は暗い部屋でひとりでもんもんと考えたくなる感じw 完全に大人向けです。

 

「ノートルダムの鐘」のテーマは、わたしは信仰と差別や偏見だと思いました。 …ね?すでにだいぶ重たいテーマでしょ?笑

うまくまとめようと思ったけれどまとまらないので、登場人物ごとに思うところを書いていきます。

 

< カジモド >

彼はその醜さゆえに、まさに「差別」や「偏見」の対象であり、象徴として登場します。

けれど、冒頭、そしてラストで語られる「何が違うのだろう」的な言葉。

それに象徴されるように、ラストシーンではたったひとり、綺麗な姿で現れます。

外の世界を知らず、純粋に生きてきたカジモドにとっては、初めて外に出た時の世界ってきっとこんな見え方だったんだろうな…。

人はみんな美しくて、みんな醜い。全く同じ人間なんて存在しない。 それでも、認め合って生きていかなくてはいけない。

ただ、カジモド自身もフロローの洗脳もあって、自分は醜いと思って生きている。 だから、鎧を着て生きている…そんな風にも思えました。

「差別」や「偏見」は社会の中にもあり、そして、自分の中にもある。

…登場人物ひとりに対してだけで、これだけの想いを抱くのです。

どうぞ、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。笑

 

これはカジモドの内面のお話じゃないけれど… すごいこもった話し方をするんですよ。でもね、ちゃんと何言ってるのかハッキリわかるんです。

あと、わりとずっと腰を曲げた歩き方をしてて…ひたすらにカジモド役の皆さんを尊敬でした。

 

< フロロー >

裏主人公というか、もはやミュージカル版的には主人公みたいな悪役です。

一番、アニメ版とのギャップがある人(それでも「街中焼き尽くすのだ!」の人だけど)

アニメ版では描かれない、カジモドとの血縁関係や、何故ジプシーを憎むのか、そういう部分が冒頭で結構丁寧に描かれています。 (原作の設定なのかな…と思ってたけど、原作を読んだ人によると、そういうわけでもないらしい)

フロローは超潔癖で、完璧主義な聖職者。

アニメ版での極端な冷酷非情な部分は少ないけれど、権力を振りかざす悪役ぶりは健在です。

エスメラルダに出会い、ずっと自分の立場のためにひた隠しにしていた「男」としての自分に気付いてしまい、ずっと隠していたからこそ、エスメラルダにどう接したら良いかわからない(しかも、相手はずっと自分の敵だと思っていたジプシーの女というダブルパンチ)、拒絶された時に最悪の手段に出てしまう(同じく失恋しているカジモドとの比較も含め、この辺りは完全に悪役です)、しかも、今までのその真面目な行いのため(アニメ版では恐怖を利用してましたが)に権力を持っているから、行動がエスカレートしていく。

わりと、今時のリアルな悪役だなって思いました。

最初のほうはわりかしフロローに感情移入できるので、その分、最後のほうでどんどんとおかしくなっていくところは怖かったです。

わたしはアニメ版のさっぱりとした悪のフロローのほうがもやもやしなくて好きwですが、じわじわとジプシーであるエスメラルダに想いを募らせていく部分はミュージカル版のほうが丁寧でわかりやすかったです。

フロローの根底にあるのは「信仰」です。

エスメラルダの出現は彼にとって、「神が与えた」試練であり、エスメラルダを服従させることは「神の導き」、それに背くエスメラルダは「魔女」であると。

それは、ずっと神に仕えてきたフロローにとっては当たり前の思考なのだけれど、舞台の上の出来事として眺めているわたしたちから見れば、神の名前を借りた自分勝手だってわかりますし、フロローが行っていることは魔女裁判だし、わたしたちは今を生きているから、魔女裁判がどういうものかもわかる。

うーん…ディズニーは悪役が出てきた場合、割とはっきり悪役だけど、「ノートルダムの鐘」がディズニーミュージカルなり得ないのは、フロローがアニメと違って完全悪な存在じゃないからな気がしてきた…今までのフロローの苦労も知っているから、ハッピーエンドで終わるのは確かに違うし、私たちに問いかけて静かに終わる最後がフロローという人が存在するから、あるんだろうな。やっぱり、フロローが裏主人公ということです。

 

< エスメラルダ >

エスメラルダはジプシーだから、「差別」の対象だけれど、誰よりも綺麗な心を持った、芯の強い素敵な女性ですよね。

どんなに差別をされていても、自分の生き方に誇りを持っているし、自分が良いと思ったものは良いって言う。アニメで見たときから、大好きなキャラクターのひとりです。

エスメラルダの印象的なシーンは教会の中で歌う"GOD HELP"のシーン。

他の人たちが「豊かさ」や「名誉」など自分たちのことを祈る中、「自分はいいから、他の助けが必要な人に恵みを与えてください」と歌います。心清らか過ぎる。笑

そんなエスメラルダにみんなが心惹かれるのは当然なのですが…フロロォ…。

アプローチの仕方が下手すぎという冗談はさておき、被差別されている人の中にいる正しい人に焦点を当てるあたりは、とてもレミゼ感を感じました。

 

< フィーバス >

原作ではどうしようもない人みたいですが、設定はアニメ版に順ずる感じ。

イケメンなうえに、良い人です。ちょっとちゃらいところはラプンツェルのフリンっぽい。

物語自体には重要な役割を持っていますが、もんもんと考えるテーマ的にはさほど大きな意味はなさそうなので、ここでは割愛です。ごめん。

 

< クロパン >

ジプシーであり、狂言回しでもあるので、飄々としております。何となく成河クロパンとか観てみたくなる感じ←

トプシーターヴィーから奇跡御殿とふり幅の大きいキャラクターです。

「偏見」や「差別」の対象ではあるけれど、それに縛られることもなく、縛られるものがあるとすれば、「ジプシーである」という誇りくらいでしょうか。

エスメラルダのことが好きなのかな…?とも思ったのですが、それだとクロパンという人が一気に軽くなってしまう気がするので、誇りを愛していてもらいたい。

 

前半はすんごい書いたけど、後半はそうでもなかった…。

別に心に残らなかったとかそういうわけではなく、単純にフロローに対して思うところが多かったんだと思います。

そして、このミュージカルの何がすごいって音楽ですよ…! 世界観に合いすぎている。

とても、リトマメとか、アラジンと同じ人が作ってるとは思えない。天才すぎです、アラン・メンケン。

聖歌隊がいるのも最高に良いです。すごい重厚感。2幕冒頭のメドレーは必聴です!

総括すると、とても劇団四季らしいミュージカルだなって思いました。

色に例えると、茶色というか(余計にわからないし、伝わらない)。

ハッキリした泥臭いwテーマ、重厚で濃厚な音楽、華やかさと粛々とした教会の比較とか。

すぐにまた観たい!何度も観たい!って感じではないけれど、数か月に1度、観たいというよりは味わいたい。浸りたい。そんな世界でした。

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